はじめまして、島根大学医学部4年の吉岡菜穂と申します。11/18の島根大学出雲キャンパスとオンライン両方で開催されたのSipsのSDHのイベントに参加させていただきました。京都大学の医学コミュニケーション学分野の岩隈美穂先生を講師にお招きして行われました。
今回のイベントに参加するまで、SDH(Social detarminant of health):健康の社会的要因について聞いたことはありましたが、SDHについてのワークショップに参加するのは初めてでした。社会的要因の健康への影響は大きそうだ思っていましたが、社会的要因を測ったり、見つけたりすることは難しそうだという印象がありました。
このワークショップでは、まず岩隈先生の講義を聴いて、ALS(筋萎縮性側索硬化症)を持った方の自宅での生活をとった番組のDVDをみました。そのあと、この患者さんについて、CBRマトリックスという表の項目に当てはめていく課題をグループで話し合いながらしました。この患者さんにおいて、CBRマトリックスの保健、教育、生計、社会、エンパワメントに区切られた各項目で、満たされている項目、足りてない項目を話し合いながら考えて行きました。この作業で気づいたことは、この患者さんでは社会やエンパワメントに関する項目では満たされているものが多かったことです。ALSの患者さんは自分では体を動かせず、友達やヘルパーさんに手伝ってもらいながら生活していました。健康の社会的要因は、ひとりで身の回りのことができたり、生活ができるという要素だけではなく他にたくさんの要素があることもわかりました。
今回のイベントでは、医学部以外の学生や社会人の方も同じグループにいて、話し合いの中で今回のALSの患者さんに足りない要素の視点や、CBRマトリックスの項目で重視する項目に違いがあることもわかりました。様々な職種や立場の人の意見を聴くことの大切さがわかりました。
岩隈先生とお話した時に、社会的要因が健康に関わることはわかってきているが、どの要因で影響が出たのかなどを測ることは難しいと言われてました。今は大学で病態や治療についての知識を学んでいますが、健康の社会的要因という大きな要素もあることを忘れず、見えていることやデータ以外の要素も考えられるように学んで行けたらと思います。
今回は対面とオンラインとの両方の開催ということで、様々な調整や準備をしてくださったスタッフの方々の力で開催できたと思います。全国から集まった社会人や学生の皆様とSDHについて考えるという貴重な機会をいただきありがとうございました。
SiPS 吉岡菜穂