こんにちは! 島根大学医学科5年の小内ゆいです。 今回は、私がSiPSに参加しようと思ったきっかけについて、少しお話出来たらと思います。 大学3年生の夏休み、地元・北海道の病院で3日間の実習をさせていただいたことがあります。そこは地域密着型の中規模病院で、訪問看護や介護福祉施設も併設されていました。 1日目の実習で、介護福祉士の方について入浴介助を手伝わせていただいたり、認知症の方のお宅に訪問させていただきました。これまで医師の診察は見たことがありましたが、介護福祉士の方の仕事を見るのは初めてで、全てが目から鱗でした。 医師や看護師と同じように、介護福祉施設でもカルテのようなものを用いて患者さんの情報を共有していたのですが、あまりの内容の違いに驚きました。 利用者さんのご自宅に入った際のスリッパの置き方から、体位変換の手順まで細かく書かれていました。 「こんな細かいことにも配慮してケアを行っているんですね!」と私が驚いていると、担当の介護福祉士さんは、「何を大切にしているかはそれぞれの人によって違うんです。こちらがそれを重要かどうかを決めることはしませんよ」と言ってくれました。 また、認知症の方のお宅に訪問した際は、介護していた娘さんのお話がとても印象的でした。 「訪問診療をしてくれている先生は、とても親身で優しいけれど、じっくりお話できる時間がない。」 「どの病院からも断られて、〇〇先生しかもういない。だから機嫌をうかがってしまってなかなか本音が言えない」 「よく分からなかった説明も、聞き返したら不快に思われないか不安で、つい分かったフリをしてしまう」 分からなかったことなどは、介護福祉士の方に相談したり聞いたりして解決していたようです。 実際に訪問診療をされている先生は、患者さんやご家族にも丁寧にお話をされていて、学ぶことの多い方でした。まさかご家族がそのように感じているとは思いもしませんでした。 医師であるというだけで、これほどまでに心理的圧力を与えることになるんだ、と衝撃を受けました。医師の診察を見ていただけでは絶対に分からなかった患者さんやそのご家族の想いに触れることができて、本当に良かったと思います。 私にとって、多職種連携の重要性を実感する大きな分岐点になったと思います。 もちろん、医師にしか見せない側面や医師だからこそできる医療行為があります。しかし、それだけでは医療は成り立たないのだと強く感じました。 患者さんの生活に、より密着した職種、人々からの情報が医療には欠かせないと思いました。 こういった経験を多くの医学生と共有したい!と思っていましたが、どういう場でどんな形であれば一緒に学んでいけるのか、一人ではなかなかアイデアが浮かびませんでした。 そんなときに同期のはくちゃん(元作業療法士)がSiPSという面白いサークルを立ち上げる話を聞いて、便乗させてもらいました。 医学部だけでなく、看護・薬学・介護・教育など様々な職種の方が参加して、まさに私が求めていたような場所でした。 SiPSとしての活動にはまだまだ貢献できていませんが、微力ながら関わっていけたらいいなと思います。
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